CBDオイルとは?
日本ではまだまだ認知度は低いが、欧米では人気のCBDオイル。
CBDオイルの『CBD』とは、カンナビジオール(Cannabidiol)の略で、カンナビノイド(Cannabinoid)と呼ばれる大麻草(ヘンプ)に含まれる化学物質のひとつ。
さまざまな疾患の治療に効果が期待され、盛んに研究されている大注目の成分。
100種類以上もあるカンナビノイドの中で主成分としてよく知られているのが、テトラヒドロカンナビノール(THC)と、カンナビジオール(CBD)。
- THCは、精神活性物質。マリファナのいわゆる『ハイ』になる成分。痛みを緩和したり、食欲増進の作用もある。日本では麻薬として規制されている違法な成分。
- CBDは、向精神作用はなく、てんかんや慢性的な痛み、不安など、その他にも多くの疾患に効果があると期待されている合法な成分。
CBDオイルとは、そのCBDを中心に抽出した成分と、ココナッツオイルやヘンプシードオイル、オリーブオイルなどのキャリアオイルと混ぜたもの。
CBDオイルの種類
CBDオイルを選ぶ際に目にするのが、『フルスペクトラム』や『ブロードスペクトラム』、『アイソレート』という言葉。
調べてみると、実際、国やブランドによって解釈や認識が異なっているので、気を付けて選んで。
■フルスペクトラム①
ヘンプの全草から抽出された、天然の様々なカンナビノイドが含まれる。そのため、THCも微量に含まれているとのこと。
アントラージュ効果(単一のものを摂取するよりも、他の成分と一緒に摂取することで、相乗効果を発揮し、より高い効果が得られる)は一番期待できる。
しかし、規制対象の葉や花も使用し、THCが含まれているので、日本国内では違法のもの。
■フルスペクトラム②
ヘンプの成熟乾燥した茎と種子から抽出された、天然の様々なカンビノイドが含まれる。茎と種子にはほとんどTHCが含まれていないため、抽出された成分にもTHCは含まれないとされている(検出されないレベル)。アントラージュ効果が期待できる。規制対象外の茎と種子を使用し、THCは非検出レベルなので、日本国内では合法のもの。
■ブロードスペクトラム①
フルスペクトラムを精製し、THCなどの特定のカンナビノイドを除去したもの。
■ブロードスペクトラム②
アイソレートに、THC以外の他のカンビノイドやテルペン(植物の精油成分)を加え、混ぜたもの。
■アイソレート
CBD単一のもの。つまり、ヘンプからCBDだけを精製分離して取り出したもの。
大まかなイメージで分かりやすく例えるなら、フルスペクトラムがエクストラバージンオリーブオイル、ブロードスペクトラムがピュアオリーブオイル、アイソレートはオレイン酸、みたいな感じだろうか。
CBDオイルはどのように働く?
人間の体内にはエンド・カンナビノイド・システム(ECS)という細胞のシグナル伝達機能が備わっている。
人間は恒常性維持(ホメオスタシス)という、環境変化にかかわらず体の状態を一定に保とうとする性質を持っているが、そのホメオスタシスのために、体内で常に働いているのがECS。
睡眠、食欲、感情、記憶、免疫機能など、人間が生きていくうえで重要なさまざまな機能のバランス調整に関与していることがわかっている。
例えば、ケガの痛みや発熱などでホメオスタシスが乱れたら、ECSが作動し、体が理想的な働きに戻るのを助けたり、など。
実はカンナビノイドは大麻だけではなく、人間の体内に自然に存在している。それを内因性カンナビノイドといい、それが体内にあるカンナビノイド受容体に作用し、いろいろな調節を行っている。
しかし、その内因性カンナビノイドはストレスや老化などさまざまな要因によって不足してしまい、ECSの機能が低下し、体の不調につながるとか。
そこで、CBDオイルなど、外から植物カンナビノイドを摂取して補い、本来の機能を取り戻そうというわけ。
まだ研究途中ではあるが、多くの疾患に効果が期待されている。
CBDオイルとヘンプシードオイルの違い
原材料がヘンプとなると、健康にいいと人気のヘンプシードオイルとの違いが気になるところ。
CBDオイル | ヘンプシードオイル | |
原料 | ヘンプの種子や茎(海外では葉や花などの含む全草のものもある) | ヘンプの種子 |
主な抽出方法 | CO2超臨界抽出法 | 低温圧搾 |
CBD含有量 | CBDを多く含む | CBDは含まれないか、含んでいてもごく微量 |
主な成分 | CBDを中心としたカンナビノイド | オメガ3や6などの栄養素が豊富 |
どちらも健康にいいと期待されているものだが、CBDオイルは成分を摂取し薬理的に、ヘンプシードオイルは体にいい栄養を摂取し、スーパーフード的に健康効果が期待できるものではないだろうか。