テフとは?
エチオピア原産のイネ科の古代穀物。けしの実ほどの大きさで世界最小の全粒穀物。小さいために現地では伝統的に栽培されていて、インジェラ(テフの粉で作った生地を数日間発酵させ、薄く焼いた酸味のあるクレープのような食べ物)の原料など主食穀物として消費されている。
その小さい姿とは裏腹に、栄養価がとても高い。そしてグルテンフリーで低GI。
そのため、先進国を中心としたベジタリアンやヴィーガン、健康志向の人々から注目を集め、一時はエチオピア政府がその需要から国民食を守るため、輸出禁止にしたほど。現在は他の国でも栽培が始まっており、アメリカ産やオーストラリア産、ヨーロッパ産などが多い。今のところオーガニックのものを見つけるのはまだ難しい。
色の違いは?
テフにはブラウン、ホワイト、レッドなどいくつかの種類があるが、基本的に栄養の違いはあまりないと言われている。しかし、テフの味がわかる人に言わせれば、風味は少しだけ違うとのこと。
ブラウンはヘーゼルナッツのようなほんのり香ばしい土の香りがあり、ホワイトは栗のような風味でブラウンよりもわずかにマイルドで甘い。
栄養成分は?
栄養価が高いことで知られるテフだが、特に食物繊維やカルシウムが豊富。食物繊維はレタスのおよそ8倍、カルシウムは牛乳のおよそ1.6倍も含まれている。
さらに必須脂肪酸(オメガ3、オメガ6)、9種類すべての必須アミノ酸が含まれるたんぱく質、今話題のレジスタントスターチが豊富に含まれているため、血糖値の上昇を抑えたり、整腸作用、ダイエットに期待できるなど、この小さな一粒に栄養がぎっしり詰まっている。
しかしながら、テフには鉄分が豊富だと長い間考えられてきたが、最近の研究で、実はそれはテフに含まれているものではなく、テフに雑ざった土の影響である可能性が新たにわかった。
どうやって食べる?
お米と一緒に混ぜて炊いたり、茹でたものをシリアルやヨーグルトに加えたり、さらにはブラウニーやパンケーキに混ぜたりと、テフは汎用性が高いのも魅力。粉に挽いたものであれば、小麦粉の代用品として使用できる。クセがあまりないので、どんな料理にも合うはず。もちろんインジェラに挑戦してアフリカンな気分を楽しむのもあり。
しかし、生食はできないので必ず加熱すること!